害獣と呼ばれるものたち

害をなすもの――辞書を引くと、「妨げ。支障。災い 」とある。いったい誰にとっての害なのだろうか。

シカの食害が甚大

現在身近に騒がれているところでは、ニホンジカ、イノシシ、ニホンザルなどの一部の大型哺乳類の分布が全国的に拡大増加傾向にあります。鳥獣による生態系や農林水産業などへの被害が一層振興くな状況にあります。一方で、ツキノワグマのように地域的に絶滅の恐れのある鳥獣や、孤立した鳥獣の地域個体群も存在しています。

昭和の時代の害獣といえば、野ネズミや野ウサギによるものが大半で、林野庁の統計資料によると、1951年の野ネズミ被害が20万ヘクタールあったと記録されています。この年の年間造林面積が32万ヘクタールだったところをみると、なんと植えた木の6割以上がネズミにかじられてからされてしまったことになります。大変な量ですね。その後、林業における更新方法が変化したため、彼らにとって住み心地は悪くなり、被害は減っていったようです。

現在の森林被害の代表はシカです。1965年ごろから報告されるようになり、1980年代後半に増加し、被害面積は30年間で50倍近くに増え、獣害第一位の地位を確固たるものにしています。

奈良公園などを見るとシカ専用せんべいまであって大事にされてかわいいし何がいけないのと思うかもしれません。しかし、植樹をしている側からみると、植えたそばから苗木が食い荒らされ、深刻なのです。幼木だけではなく、冬場に餌がなくなると、成木の樹皮をかじってしまいます。数十年もかけて育ってきた木がやられるのです。ただでさえ人手不足で立ち行かなくなっている林業にさらなる打撃です。

シカの生息密度が高い地域では、シカの届く範囲の植生がほとんど消失している場合もあります。菖蒲の花で有名な山に登山に行ったのに、食い尽くされて一輪も見られなかったということもあります。そのような被害を受けた山野では、土壌を保護する植生がないために水源涵養機能や土壌保全機能が失われていく恐れもあり、生態系に打撃を及ぼすことがあります。

天然記念物にも及ぶ被害

また、クマも同様に樹皮をはいで森林にダメージを与えることがあります。野ウサギも樹皮や幼木を食害します。
エゾシカは食害のほかに、角をこすりつけて樹木を痛めることがあります。
イノシシは農産物のほかタケノコ、キノコ類を食害します。突進してくると物理的な痛手もありますね。サルも同様ですが、雑食なので、植物以外に薄弱な動物をが餌食になるのが問題になっています。天然記念物であるライチョウのヒナなどが食されるのはいたたまれません。

動物の命を取捨選択するのが正しいとは思いませんが、特定の種が増えすぎないよう、あるいは生態系が著しく破壊されないよう対策が求められます。

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