森林の変遷

森はいつも同じ姿をしているわけではありません。
樹種を変えながら、成長と衰退を繰り返し、その時々の発達段階を見せています。
森林生態系を見る上で不可欠な区分です。

森林が台風や火災、土砂崩壊、噴火、伐採などにより破壊される現象をかく乱
といいます。このかく乱が起こった後の発達段階は下記の4つに分類されています。

幼齢段階

天然林の初期段階では、前世代の遺物である立ち枯れた木や、倒木が多く、
その蔭で生き延びた日陰に強い樹種の雅樹や幼木が局所的に生えています。
そのあと生えてくるのは多くの日差しを好む陽性植物です。
人工林では、切り株や倒木は必要に応じて取り除き、地ごしらえをしてから
植樹をするので、その植えた木以外は陽性植物が繁殖してきます。

若齢段階

森林ができ始めた初期の段階では、木々の高さは低く、林冠は閉じています。
このため、林床が暗くなり、森林の階層構造は発達しません。
林冠と貧弱な林床植生のみの単純な林分構造になります。
若齢林分では森林を利用する哺乳類も少なく、生物多様性は低いです。
林分の光合成により生産される有機物(炭素、水素、酸素からなる炭水化物)
総生産量はこの段階で最大になり、呼吸文を差し引いた純生産量も最大
になります。樹木自体の生長も活発です。

成熟段階

成熟段階になるに従い、風による樹冠どうしの摩擦や衝撃で林冠に隙間ができ、
光が林の中に入り、高木層、中低木層などの階層構造が発達し、
林床植生も回復していきます。成熟段階になると、樹木の生長自体は鈍くなり、
純成長量は緩やかに減ってゆきます。しかし、森の中の植物は多様になり、
森林に生息うる鳥類や哺乳類も増加し、生物多様性は増大していきます。

老齢段階

成熟した段階が永く続くうちに、高木層の中に衰退して、枯死するものが
出始めます。嵐などがあると、複数のものが同時に倒れて森の中にギャップが
できたり、階層構造が発達したりします。このような段階を、
極相林または老齢林といいます。衰退木、倒木は様々な生物の隠れ家となり、
ニッチな生き物の生息地になったりするので、生物多様性はさらに高くなります。
水源機能も高くなり、土壌の有機物量も最大になります。ただ、
活発に光合成をおこなっている木が少ないので、純生産量は最も少なくなります。

人工林では、大木が枯死してしまっては木材生産の目的から外れてしまう
ため、老齢になる前、成熟段階で伐採し、また植樹を行って
回転させていくのが理想的です。

木や動物、個体にだけではなく、森林全体にも成長や寿命があるのです。

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